・飾り用のカボチャが美味しく食べられるの?
元々ハロウィンが好きで、8年前から大きなカボチャの栽培を始めました。
形や色が悪かったり、ハロウィンが終わる頃に実ったカボチャは使い道がなくなり、畑に放置して、しだいに腐っていっていました。
5年前の当時、農作業の体験に来ていた、カナダ人やアメリカ人の方たちから、「なぜ食べないの? 私が焼菓子にしてあげるから食べなさい!」としかられました。
ただ、私の持っているイメージで、海外のお菓子は、口に合わないものが多く、正直期待していなかったのですが、焼きあがった焼菓子を食べて、今まで食べたことのない美味しさに驚いたのでした。
日本では味わう機会がない風味のタルトなので、ぜひ日本の皆さんにも味わって欲しいと考え、菓子製造業の営業許可を取得し、焼き上げてイベントなどで販売を始めました。

ハロウィンにはカボチャを食べない??
焼き方を教わったタルトはカナダや北米ではクリスマスやサンクスギビングで食べる一般的な家庭料理だそうです。日本に住むアメリカ人に、アメリカ伝統のpumpkin pie(パンプキンタルト)を勧めたら、アメリカではハロウィンには食べなくて、クリスマスやサンクスギビングに食べるんだと教えてもらいました。

・入手しづらい国産全粒粉の問題からグルテンフリーに
教わったレシピは小麦の全粒粉を使用だが、日本では国産全粒粉は入手しづらく、普通の小麦粉ではタルトのクッキー部分の触感が今一つでした。試行錯誤の結果、お米の全粒粉でもある玄米粉を使うことにより、同様のサクサク感が実現し、グルテンフリーにもなりました。

・本場アメリカ・カナダ人の先生から必ず守ってくださいと言われたこと!
焼き方を教わったときに、一番強く言われたのが、タルトの厚さでした。
日本のタルトは、こんなに厚みはないのですが、この厚みがないと、カボチャのタルトペースト部分の良い食感は味わえないので、「絶対に深型のタルト型を用意しなさい!」でした。
そこで、私たちはキッシュを焼くときに使う深さ46mmのタルト型を使っています。

・焼き上げの難易度が高い!
この厚さのタルト型では、焼き上げて切り分けるまでに、クッキー部分が割れてしまいやすい。しかし浅いタルト型を使うという妥協はできないので、厚みを増すなどしています。
私たちは、焼き上げるときに、タルト型を使っているため、タルトと呼んでいますが、チーズケーキ同様の厚さに焼きあがっています。

・将来に向けて
当初は、教わった通りのシナモンとナツメグなどを使用した味付けのみでしたが、日本人にはシナモンが苦手な方も多く感じたので、独自にクリームチーズを混ぜ合わせたパンプキンチーズタルトを作りました。シナモンなどの香辛料の代わりにチーズを入れているので、基本的なレシピは引き継いでいて、独特のパンプキンの良さは引き継いでいます。

現在、パンプキンの焼き菓子は
・シナモンパンプキンタルト
・チーズパンプキンタルト
の2種類ですが、今後増やしていく予定です。